ぶなの木文庫

2015年03月

 H小お話会、2年生プログラムは

  1、おはなし・・・ふしぎなたいこ
  2、絵本・・・100まんびきのねこ
  3、おはなし・・・マメ子と魔もの
 
 私は「100まんびきのねこ」を読みました。大好きな絵本。
本文は白黒なのですが、表紙は黄色地に赤い空、黒い丘の上を、ねこを引きつれたおじいさんが描かれていて印象的です
。猫の模様の見返しも素敵で、こんな生地がほしいくらい。

木版画を思わせるような細かな線で丹念に描き出す独特な表現の絵。
そのダイナミックな曲線を多用した絵が、猫が互いに食い合ってしまうなんていう、ちょっと大人が眉をひそめるような内容をカラッとしたブラックユーモアに変えてしまいます。

この絵本は石井桃子さんがかつら文庫をご自宅でひらかれたとき、カナダの児童図書館員が送ってくれた児童書の中にあった絵本で、まだ日本で出版されていなかったので、石井さんが日本語に訳しながら読んであげたそうです。

それにもかかわらず、子ども達に大人気だったそうです。この時一緒に送られてきた絵本に「シナの五にんきょうだい」や「いたずらきかんしゃちゅうちゅう」などがありました。

後に石井さんらが働きかけて福音館から日本語版が出版されたそうです。

この「100まんびきのねこ」は絵本の古典みたいな本ですが、ぜんぜん古臭さを感じさせません。同じワンダ・ガアグの「へんなどうつぶ」もなんかシュールでヘンテコで好きです。
だから、ワンダ・ガアグって勝手に若い人かと思っていたら、1893年生まれで、もうとっくに亡くなっていたんですね。
さて、この絵本、絵だけでなく、テキストもリズムがあっていいんです。とくに

「そこにも ねこ あそこにも ねこ、
どこにも、かしこにも、ねこと こねこ、
ひゃっぴきの ねこ せんびきの ねこ 
ひゃくまんびき、一おく 一ちょうひきのねこ。」

というフレーズが何回か繰り返されるのですが、子ども達はここが大好きで楽しいらしく、三回目あたりから読んでいる私と一緒に大合唱になります。
今回2クラス読みましたが、2クラスとも大合唱。

一緒に組んでいた方が「100まんびきのねこ、、絵が遠目が聞かないから読み聞かせに使ったことなかったけど、すごくよく聞いて楽しんでたね。」とびっくりされていました。


 

H小学校のお話会

1年生のプログラムは
1おはなし・・・あなのはなし
2絵本・・・いたずらきかんしゃちゅうちゅう
3おはなし・・・みつけどり
私はみつけどりを語った。

子ども達はほんとうによく聞いてくれたけど、ちゅうちゅうを聞いている時の目の輝きは見ているこっちの方が嬉しくなってしまうほど。

その日行った3クラス、みんな同じリアクション。「前に読んだことある人」って聞いたら、どのクラスも三分の一くらい手が上がった。でも、だれひとり、「あ~それしってるぅ、読んだことある!」って言わなかった。

この絵本はうちの子も散々よんだなあ。長いから「も、一回」といわれるとうんざりしちゃって、いやいや読んだこともあった。

いつもおいしいものを食べた後、あ~もっとゆっくり味わって食べればよかったなあと後悔するんだけど、今思い返すと、子どもとの素敵な素敵な時間だったのに、なんでもっと、優しく丁寧に読んであげなかったのかと思う。

バージニア・リーバートンの絵本はこのほかにも、「ちいさいおうち」や「マイクマリガンとスチームショベル」「はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー」なんかも大好きだった。
絵が生きているというか、ページをめくると、主人公がとび出してきそうな、勢いがあって、中の文も絵のようにくねくねしてたり、とにかく1ページ1ページ毎回発見があって、子ども達は大人が見過ごすような細かい所も見逃さず、まー良く見てたね。

バージニア・リーバートンさんのすごいところは、子どもの本だからっていいかげんにしないで、機械の名前や働きをちゃっとかきこんでいるところ、こんなのこどもにゃわからんだろう、というようなこともきちんとかいていて、また子どもがそういうところが大好きで、じっくり見ていた。

ちゅうちゅうに出てくる、石炭船に落ちた炭水車を起重機であげる、なんて場面だってうちの子は、起重機って言葉をここで、知ったんだと思う。

先日、久しぶりに、「マイクマリガン~」をひとに読んでもらった時、こんなに面白い話だったかと、あらためてびっくりした。

私がいいなあと思ったところは「おおきなふねが、たくさん とおれるように りっぱなうんがを ほったのも、マイクと メアリと それから そのとき いっしょに はたらいた ひとたちでした」

というところ、このあとも、線路をつくったり、ハイウェイをつくったりと続くんだけど、そのたんびに「~したのも、マイクと メアリと そのときいっしょに はたらいた ひとたちでした」とある。
その場面を読んでもらっていた時、なにかわからないけれど、暖かなものが伝わってきた。
でも、スチームショベルは最新式のガソリンショベルや電気ショベルなどに仕事をとられてしまう。
そんな時、田舎の町で市役所を作るという話をきいて、そこにいって、一日で地下室の穴を掘る、もし一日で掘れなかったらお金はいらないと。
役人はたとへ小さな穴でもタダで掘らせるのはうまい話だと思って、マイクたちにやらせることにするのです。
。ここのところも、一日でできるか、はらはらさせて面白いのだけれど、やっと一日で掘ることが出来たのに、自分が出るところを作っておかなかったので、マイクとスチームショベルは穴の中に取り残されてしまう。
さあ、どうするって時に、マイクたちの仕事をずっと見ていた男の子がすごくいいアイデアをだす。
それはみんなが満足するアイデアでした。
本当に読んだ後深い満足と幸せな気持ちになる絵本だなあと思う。
これはバージニア・リーバートンさんが次男のマイケルのために作った絵本だそうです。ちなみに、ちゅうちゅうは長男のアリスに贈った絵本です。

 学校でお話会をやっている時に感じる事。

先生が、子ども達をきちんと整列させることに躍起になって、お話の最中に怖い顔して子ども達を睨み付けていたりする事がある。
そうすると低学年のクラスなんか特に、緊張してるのか、(ここは、笑いがおこるところ)という時も、シーンとしていたり、(ここはいつも突込みがはいるところ)という時もシーン。
よく見ると、くちびるは、かすかに動いていたりする。なんせ、先生が怖い顔で睨み付けているので、物語を楽しむどころじゃない。

それから、終了後に感想を言わせたりする。
気持ちはありがたいが、大人だってすぐには気の利いた事なんて言えなのに、言葉がでてこなくてしどろもどろになっている子どもを見ると、ちょっとつらい。
もうお話会なんてきらい!と言われないかと心配になる。
もちろん、強制じゃなく言いたい人に言わせるのはいいのだけれど、たまに、紙があらかじめ配られていて、お話を聞きながら、ペンを動かしている子を見ると、悲しくなる。

先生も一緒に聞いてくれるとすごく嬉しいし、、大概そういうクラスは子どもの感性がよくて、あったかい雰囲気に満ちている。

以前、私達がお話を語っている横で、シャッ、シャッ、とマル付けして、時々顔をあげて子ども達を一渡り睨み付け、それからまた、シャッ、シャッとマル付けしている先生がいた。
子ども達は慣れているのか全然気にせずよく聞いてくれたが、とてもやりずらかった。
地元の小学校は長年やっていることもあり、最初にそういうことは先生方と話し合っているので、そんなことはないのだが、途中から助っ人で行くようになった小学校では、先生方とそういうことを話す機会もなかったので、先日、懇親会を開いた。
その時、思いきって先生方に、整列のことや、感想の事、共に聞いてほしいこと等、話したら、
「それは、訓練なんです。子ども達はこれから大きくなって、図書館など公共の場に行くときにきちんとした行動ができなければならない、そのための訓練なんです。」
「それから、感想のことも、気の利いたことは言えないかもしれないけれど、今聞いたすぐの感想を言う訓練なんです。」と。

「はあ~そうなんですか」と思わず納得しちゃいそうになる私。
『訓練』という言葉に引っ掛かるものがあったが、やっと話し合いの場が持てたばかりだし、学校のやり方に文句をつけたと思われるのは困るから、それ以上はいわなかったけれど、これが、先生の本音なのかな。

でも、訓練、訓練て、避難訓練みたい。

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