ぶなの木文庫

2014年10月

昨日は、福音館の「たくさんのふしぎ」編集長の石田栄吾氏の講演会に行ってきました。福音館に勤めてるなんて羨ましいなあ、と思って話を聞いていました。

福音館の、子ども向けの雑誌、「こどものとも」「かがくのとも」「大きなポケット」「たくさんのふしぎ」は子どもが小さい時は時々買っていました。「かがくのとも」や「たくさんのふしぎ」は子どもに関係なく私が興味を持ったものは買っていたけれど、最近はご無沙汰でした。

今回石田さんが手がけたものの制作裏話など、興味深く聞きました。

とくに、虫好きの私が好きで、買っていた「くものすおやぶんとりものちょう」秋山あゆ子/作 を紹介してくださり、その制作過程を見せてくれたのはとてもうれしかったです。

秋山あゆ子の「虫けら様」というコミックを読んで、この人(秋山あゆ子)と友達になりたいと思ったほどです。本当に虫が好きなんだなと思えるほど、ちゃんと生態を踏まえたうえで、虫たちを主人公に愛らしく描いてくれていて、大好きです。でも、難点は絵が細かすぎて、読み聞かせには向かないってこと。

そのほかにも、たくさん紹介してくださいました。どれもこれも、読んでみたくなりました。

科学絵本を作る意味は、「子どもたちを取り巻いている世界が生きるに値するなかなかいいところだよ、ということを子どもに伝えること」だと。

さまざまなアイデアが持ち込まれると思うが、いい原稿の条件は、「その人しか知らないことで、その人が本当に知っていること」だそうです。そして、そのことを知っていても、現実の生活ではあんまりすぐ役立たないことが多いとのこと。たとへば、

雨は雲から地面に落ちるまで何分くらいかかるか・・・・10分くらいかかる。

一本の木に葉っぱは何枚あるか・・・・2万枚くらい(「はるにれ」の姉崎一馬さんは子どもたちと一緒に切り倒される木をもらって、みんなで手分けして葉っぱの数をかぞえたそうです。)

私は終了後、帰りに図書館に寄って、「アマガエルとくらす」山内祥子/文、片山健/絵、「ダーウィンのミミズの研究」新妻昭夫/文、杉田比呂美/絵の2冊、借りてきました。「アマガエル~」はどなたかが、大好き、と連発していたから、「ダーウィン~」のは私がみみずに興味があったから。

2冊とも、すごく面白かったです。「アマガエル~」なんか、泣けました。作者の山内祥子さんは、元小学校の先生で、その当時は畑で野菜を作っていらして身近に自然がある環境で暮らしていたそうです。読み終わって感じたことは、たとへアマガエルでも、同じ地球に生きる生き物同士、心は通じるってこと。

私も子どもが小さい時は、アゲハ蝶の幼虫を飼ったり、カブトムシ、カメ、ザリガニ、アリジゴクなどかっていました。特にアゲハは大好きで、ひと夏で15匹くらい蝶にして放してあげた思い出があるので、とても気持ちがよくわかりました。長く飼ってみなければわからないことも知ることができました。

私はアマガエルの寿命は1年だと勝手に思っていたのですが、山内さんの飼い方がよかったのかもしれませんが、14年も生きたというのにはびっくりしました。そしてカエルが脱皮するということも、雨が降りそうになると体が濡れたようになるというのも初めて知りました。子どもに是非勧めたいです。でも、これ読んで、「アマガエル飼いたい」っていったら嫌がる親が多そう。

「ダーウィン~」のほうも、面白かった。私も、子どもと一緒にミミズが穴を掘って地面に潜り込むのを腹這いになってずっと見ていたことがあるので、ダーウィンさんのことがとても身近に感じられました。

ダーウィンといえば、「種の起源」で有名ですが、実は、40年もの長い間をミミズの研究に費やし、亡くなる1年前に「ミミズの作用による肥沃土の形成とミミズの習性の観察」という本をだしていたのです。

「ミミズのふしぎ」皆越ようせい/写真 という絵本で少しミミズのことは知っていましたが、ミミズがどんな役割を果たしていたかが、数字的に示されていて感心しました。しかし、なんという気の長い研究だったことか、えらいのは、家族や周りの人。科学的なことがわからない人にはただの変人おじさんだもの。

こういう科学絵本は子どもだけでなく大人にも面白いと思いました。大人の本だと難しい言いまわしで、なかなか頭に入ってこないことも、とっつきやすくわかり易い内容になっているからです。

NHKアーカイブスで、辰巳芳子さんの番組「おいしさを持ち続けて 料理家 辰巳芳子の四季」をみた。以前にも見たことのある番組だったが改めて、辰巳芳子さんの言葉の持つ味わい深さに感心した。もう哲学者だなと思った。しかも、日常の平凡の中の非凡を説く哲学者。

その中での一つのエピソード:辰巳さんのお母さんの浜子さんの思い出。

浜子さんがお弁当によく「鰹節の巻きずし」を作ってくれたが、芳子さんはそれがあまり好きではなかった。鰹節にまぶしたしょうゆがご飯に沁みて生臭くなっていたから。それを浜子さんに言うと、「こんどはもっとおいしくしてあげるからね」と言って、すぐさま台所にたって、鰹節を醤油で炒って佃煮にして、醤油がご飯に沁みこまないように改良してくれた。

「すぐやってくれたの。不思議なことに、子どもってのはそういうことがあると、親を信用するようになるのね。」と芳子さんは言う。

家族を喜ばそうと思って、手を抜かず、いろいろ工夫して料理することって、本当に家族の心、特に子どもの心にしっかりと絆を作ってくれると思う。

私は、子どもとケンカしたりしたとき、仲直りの真ん中にはいつも、おいしいご飯やおやつがあって、それでそんなことなかったことになったりした。

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おとといの夕方、太陽が富士山の右肩に沈んだ直後の写真です。あたりに金色の光が放たれ、荘厳な気持ちになりました。

昨日は特別蒸し暑かったけれど、明け方など布団を手繰り寄せるほど寒くなりました。空気の澄んだ日が多くなり、富士山が美しく見えてくる季節になりました。

明け方、ベランダに出て深呼吸すると、甘い香りが・・・下をみると、金木犀が敷地内のあちこちに咲いていました。一番大きな木がうちのベランダの下にあるので、よい香りがたちのぼってきます。今年は秋が来るのが早かったせいか、秋を告げる花も、早めに咲くみたいです。

紅葉も早いのでしょうか。

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