昨日は、福音館の「たくさんのふしぎ」編集長の石田栄吾氏の講演会に行ってきました。福音館に勤めてるなんて羨ましいなあ、と思って話を聞いていました。
福音館の、子ども向けの雑誌、「こどものとも」「かがくのとも」「大きなポケット」「たくさんのふしぎ」は子どもが小さい時は時々買っていました。「かがくのとも」や「たくさんのふしぎ」は子どもに関係なく私が興味を持ったものは買っていたけれど、最近はご無沙汰でした。
今回石田さんが手がけたものの制作裏話など、興味深く聞きました。
とくに、虫好きの私が好きで、買っていた「くものすおやぶんとりものちょう」秋山あゆ子/作 を紹介してくださり、その制作過程を見せてくれたのはとてもうれしかったです。
秋山あゆ子の「虫けら様」というコミックを読んで、この人(秋山あゆ子)と友達になりたいと思ったほどです。本当に虫が好きなんだなと思えるほど、ちゃんと生態を踏まえたうえで、虫たちを主人公に愛らしく描いてくれていて、大好きです。でも、難点は絵が細かすぎて、読み聞かせには向かないってこと。
そのほかにも、たくさん紹介してくださいました。どれもこれも、読んでみたくなりました。
科学絵本を作る意味は、「子どもたちを取り巻いている世界が生きるに値するなかなかいいところだよ、ということを子どもに伝えること」だと。
さまざまなアイデアが持ち込まれると思うが、いい原稿の条件は、「その人しか知らないことで、その人が本当に知っていること」だそうです。そして、そのことを知っていても、現実の生活ではあんまりすぐ役立たないことが多いとのこと。たとへば、
雨は雲から地面に落ちるまで何分くらいかかるか・・・・10分くらいかかる。
一本の木に葉っぱは何枚あるか・・・・2万枚くらい(「はるにれ」の姉崎一馬さんは子どもたちと一緒に切り倒される木をもらって、みんなで手分けして葉っぱの数をかぞえたそうです。)
私は終了後、帰りに図書館に寄って、「アマガエルとくらす」山内祥子/文、片山健/絵、「ダーウィンのミミズの研究」新妻昭夫/文、杉田比呂美/絵の2冊、借りてきました。「アマガエル~」はどなたかが、大好き、と連発していたから、「ダーウィン~」のは私がみみずに興味があったから。
2冊とも、すごく面白かったです。「アマガエル~」なんか、泣けました。作者の山内祥子さんは、元小学校の先生で、その当時は畑で野菜を作っていらして身近に自然がある環境で暮らしていたそうです。読み終わって感じたことは、たとへアマガエルでも、同じ地球に生きる生き物同士、心は通じるってこと。
私も子どもが小さい時は、アゲハ蝶の幼虫を飼ったり、カブトムシ、カメ、ザリガニ、アリジゴクなどかっていました。特にアゲハは大好きで、ひと夏で15匹くらい蝶にして放してあげた思い出があるので、とても気持ちがよくわかりました。長く飼ってみなければわからないことも知ることができました。
私はアマガエルの寿命は1年だと勝手に思っていたのですが、山内さんの飼い方がよかったのかもしれませんが、14年も生きたというのにはびっくりしました。そしてカエルが脱皮するということも、雨が降りそうになると体が濡れたようになるというのも初めて知りました。子どもに是非勧めたいです。でも、これ読んで、「アマガエル飼いたい」っていったら嫌がる親が多そう。
「ダーウィン~」のほうも、面白かった。私も、子どもと一緒にミミズが穴を掘って地面に潜り込むのを腹這いになってずっと見ていたことがあるので、ダーウィンさんのことがとても身近に感じられました。
ダーウィンといえば、「種の起源」で有名ですが、実は、40年もの長い間をミミズの研究に費やし、亡くなる1年前に「ミミズの作用による肥沃土の形成とミミズの習性の観察」という本をだしていたのです。
「ミミズのふしぎ」皆越ようせい/写真 という絵本で少しミミズのことは知っていましたが、ミミズがどんな役割を果たしていたかが、数字的に示されていて感心しました。しかし、なんという気の長い研究だったことか、えらいのは、家族や周りの人。科学的なことがわからない人にはただの変人おじさんだもの。
こういう科学絵本は子どもだけでなく大人にも面白いと思いました。大人の本だと難しい言いまわしで、なかなか頭に入ってこないことも、とっつきやすくわかり易い内容になっているからです。