ぶなの木文庫

2014年04月

この4月から、地域の市民図書を任された。

土日だけの開館だが、土日がつぶれるのは嫌だなあ、と思っていた。

でも、お話会をやってほしい、とのこと、そのための予算もだしてくれるというので、やることにした。いざという時の助っ人二人、頼めたから、大丈夫かな。

いまのところ、すごく楽しい。

今回、なぜ、お話会の依頼があったのかというと、ここの市民図書が一番、利用者数が少ないからだそうだ。

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春をさわりに行ってきた。例によって、バイクで、大雨強風の中を。

ほんとに物好き。

でも、結構楽しかった。

夫は「大丈夫、小雨って天気予報が言ってたから。」と自信ありげに言っていたのに、どんどん

雨は強くなる。

途中、西湘バイパスのサービスエリアに、寄った。私は後ろだからまだ大丈夫だけど、夫は風と雨をまともに受けて、かなり寒そう。それに、自分のカッパの上下を私に貸してくれて、自分はありあわせのカッパらしきものを着ていたが、それがまったく役立たずで、パンツまで濡れてるという。

交換しようといっても「いい!」と言ってきかないので、体の熱で乾かそうということで、熱いラーメンを食べた。

そこから一気に湯河原の宿まで行く。

ますます、雨はひどくなるばかり。

湘南の海は白い波が次から次と打ち寄せていた。

よく見ると、黒い人型のてんてんがあちこちに、さらによく見ると、それはサーファーだった。好きだねえー、この雨風の中。

釣り人も何人かいた。何釣れるんだろ?

雨がヘルメットにあたって「ボボボボボボッ」と音がすごい。でも直線道路になってスピードをあげると雨は吹き飛ばされて左右に飛んでいく。街に入って信号待ちの時が辛かった。雨がまともにあたって、カッパ着てる体はいいが、ショルダーバッグやリュックはびしょびしょだ。中の荷物が心配になる

案の定、宿について、食事の時、カメラを出してみたら、濡れていて、だめになっていた。

11時半頃宿に着いたが、部屋に入れるのは2時からだという。何もかもびしょぬれで、夫はトイレで着替えさせてもらう。私はソファのところで、家から持ってきたコーヒーとクッキーでお茶しながら、本を読んだ。

でも、しばらくすると、従業員の人が、こんな天気だからと早めに部屋に入れてくれた。

部屋はあたたかく、天国だった。

「びしょ濡れで寒い思いした後に、暖かい部屋で暖かいお茶を飲むのってすごくしあわせだね」って笑いあった。

その後、温泉プールに入って泳ぐ。夫からクロールの腕の動きを教わったが、難しくてちゃんとできない。腕の事ばかり気にしていたら、息するの忘れて苦しくなるし、しばらくやっていたら、左腕の付け根が痛くなってきた。普段使ってない筋肉を使ったからだ。とても疲れたけど、泳ぐのは楽しかった。水の中でキックしながら歩くやり方も教わった。いつも右の股関節が痛い私は、特に右を意識してやった。その晩、右の股関節がとても楽だった。週に2回でもプールに行ってこれをやったら、腰痛も治るかもと思った。

しばらく泳いでいると、プールから見える空がどんどん、青くなってきて次第に晴れてきた。

夜、晩御飯のあと、外に出たら、すごい星空!春なのに冬のように澄んだ空、ここは山の中なんだなあと実感。

次の日はまるで、別の場所にきたように穏やかに晴れ渡った。

少し風は冷たいがお日様の当たっているところは暑いくらい。

宿のそばの不動の滝を見てから、湯河原駅前の大きな喫茶店でお茶する。

昔からあるような、古くて大きい喫茶店。おばあさんが制服着てウエイトレスやってる。入ってくるお客さんも、地元に住んでるお年寄りの夫婦や友達同士ばかり、のんびりした空気が漂っていて、いいなあ、落ち着く。

そして、まずコンビニで飲み物と食べ物買って、目的の千歳川の桜並木へ。

片側だけ100メートルくらい続く桜並木のあるこの場所は、去年来た時に発見した。ほとんど人がいなくて、私たちだけのマイチェリーガーデンって感じの場所。

 左側には桜、右側には菜の花が咲いていて、ところどころに、オオアラセイトウの花がさいていて、黄色、黄緑、青紫色とピンクのやわらかな色が暖かな空気の中でとけあっている。
桜が低く手を差し伸べているような枝のある場所にシートをひいて寝転んでみた。桜の花がまるで天蓋のように空をふさぎ、私たちの上に覆いかぶさってくる。花枝のすきまから見える空は青い絹のようだった。

生涯を終えるその瞬間に見るような、そんな景色だな、と、そんな事を考えた。
ほんとうに、死ぬときにはこんな満開の桜の下で死ねたらいいなと思った。

結局その日は、他にどこにもいかず、その桜の下で、川の流れをみたり、時折飛んできてはあっちの石、こっちの岩とせわしなく動く、小鳥(鶺鴒だろうか)を見たり、川の淵に群生している、セリやクレソンを摘んだり、本を読んだりして一日をすごした。私たちにとってはどんなレジャースポットに行くよりも楽しい満足する場所、春にさわれる場所だった。

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